病気の知識

2014.04.11更新

胃粘膜上皮の局所的な増殖より胃の内側に突出した隆起病変で、
非上皮性隆起や明らかな悪性病変は含めません。

胃ポリープは、良性の上皮性隆起病変の代表的なものです。

組織学的分類
 (1)"過形成性ポリープ"と(2)"腺腫性ポリープ"の2つに大きく分けれます。
  さらに  過形成性ポリープは、1腺窩上皮性 の3つのタイプがあります。
                 2幽門腺性
                 3胃底腺性
臨床上は、腺窩上皮、幽門腺の過形成で生じたものを過形成性ポリープ
     胃底腺の過形成変化で生じたものを胃底腺ポリープと分けています。
成因
 胃粘膜に対する慢性的な刺激によると考えれていますが 詳細が不明な点もあります。

過形成性ポリープに関して1つにピロリ菌感染が挙げられています。感染、炎症により腺窩上皮の過形成変化で一部がポリープの形となる、
長年のピロリ菌感染慢性胃炎により腸上皮化性変化をへて、腺腫性ポリープの形の場合があります。

1、 過形成性ポリープ
胃粘膜の萎縮性変化に伴い、腺窩上皮の過形成が最も多く、胃体下部から前庭部に多く見られます。
内視鏡所見で山田分類 Ⅱ,Ⅲ、Ⅳ型と様々な形態で、大きさは5㎜以下から30㎜までのものがあります。表面は発赤が強く、びらんが見られることもあります。
20㎜以上の場合、癌の合併率が高い考えられています。(ポリープ切除の対象となります)
また、過形成性ポリープでは、ピロリ菌陽性であることが多く、除菌治療により過形成性ポリープの消失が80%との報告があります。

除菌治療以外ほとんどの場合、経過観察で1年後のフォローとなります。

2、 胃底腺ポリープ
 胃粘膜の萎縮性変化をともなわず、胃体部、穹窿部に多く見られます。
内視鏡所見で山田分類 Ⅰ、Ⅱ型で大きさ5㎜以下で多発傾向があります。
表面平滑で周囲粘膜と同色傾向にあります。

とくに治療はなく経過観察で1~2年後のフォローとなります。

3、 腺腫性ポリープ
内視鏡所見で蒼白色、褐色、山田分類 Ⅱ型が多く
反応性のポリープでなく腫瘍性のポリープで、大きさ10㎜以上、表面の陥凹を伴うものは癌化率が高く30~40%と言われています。
6ヶ月毎の内視鏡検査フォローで病理検査(生検)を行い、
腺腫内癌、早期胃癌との鑑別を行います。
治療は内視鏡的切除術となります。



 



(癌の発生の経路)

大腸癌の発生経路(できる過程)に大きく2つの経路があります。

1)良性ポリープが癌化する経路 (adenoma‐carcinoma sequence型)

  腺種という最初は良性の腫瘍性ポリープが癌になるケースです。
  
  10mm以上の大きさになると癌化する危険性が高くなります。

2)正常粘膜細胞から直接 癌化する経路 (denovo 型)

  ポリープのようにすぐに見つかる少ないケースは少ないですが

  5mm以内でも癌として大腸内視鏡検査で見つかることがあります。(微小ガン)

大腸癌の発生経路としては、1)からのケースが多数を占めています。


(原因、要因)
遺伝子研究の発達により癌遺伝子と癌抑制遺伝子の関与が判り、
複数の癌抑制遺伝子の損傷、欠落が段階的に癌を引き起こすことが解明されてきています。

大腸癌の発生に、下記の遺伝子異常の多段階発現が大変よく知られています。(Vogelsteinら1990 改変)

(APC遺伝子の変異) (K‐ras遺伝子の変異) 
       ↓          ↓          
「正常粘膜」――→「軽度異型線種」――→「高度異型線種」

      (p‐53遺伝子の変異)   (DCC遺伝子の変異)
           ↓          ↓
          ――→ 「大腸癌」  ――→ 「浸潤癌、転移」

投稿者: 林医院

2014.04.10更新

Q ピロリ菌(ヘリコバクターピロリ)って何?
A ヘリコバクターは、『ヘリコプター』の ヘリコと同じ意味で らせん形(ヘリコイド)からバクターは、『バクテリア(細菌)』からピロリは、『胃幽門部(ピロルス) 』から命名された “らせん形の細菌”です。これまで、何度か胃の中に細菌がいるという意見が、提唱されましたが、一時的に見つかっても分離培養することができなかったので 胃内は、胃酸により強力な酸性状態で 細菌は生存できないと考えられていました。1983年 オーストラリアのウォレン、マーシャルらによって分離培養に成功、その後 ピロリ菌が胃炎 胃,十二指腸潰瘍の原因と判明、さらに90年代ピロリ菌の研究が活発に行われ 胃の様々な病気との関係がわかってきました。 

Q ピロリ菌はどこにいるの?
A 胃の中では、強い酸性状態なので通常の菌は生息できないのですが ピロリ菌は、ウレアーゼ酵素を持っており、胃液に含まれる尿素を分解しアンモニアを生成、ピロリ菌は、自分の周りにこのアンモニアを生成することでアルカリ性の環境を作り、強力な胃酸から守れる状態となり 胃粘膜上皮に存在しています。 

Q どれくらいの人が感染しているの?
A ピロリ菌の感染率は、衛生環境と相関すると言われ
  (50代) 60%、(60代)74%~80%
  (20~30代) 20~30%  (40代) 約40%との報告があります。
  ピロリ菌感染者は、およそ 3000~3500万人ともわれています。
  衛生環境の整ったことにり感染割合は減少し 若年世代の感染率は低くなっています。

Q ピロリ菌に感染する原因 経路について
A 感染経路は、はっきりとはわかっていませんが 口を介した感染 (経口感染)が大部分であると考えられています。衛生環境に関係しているので 上下水道の普及していなかった世代では高い感染率がみられます。 一説では、乳幼児がピロリ菌感染の親から食べ物の口移しも考えられています。国内で井戸水を日常生活として使用している地域では、ピロリ菌感染率は高い状態です。

Q ピロリ菌感染を予防する方法はあるのでしょうか?
A ピロリ菌感染の予防に対してこれだという方法は、わかっていません。
若い世代の感染率は、年々下がり、10代20代では欧米と変わらなくなってきています。
衛生環境が整った現在の日常生活では、感染に神経質になる必要はないでしょう。
 
現在でも国内で井戸水を日常生活として使用している地域では、ピロリ菌感染率は高い状態があり、井戸水を飲むことは避けるのが望ましいと考えられます。


Q ピロリ菌がどのような悪影響をするの?
A ピロリ菌が胃粘膜に存在することで胃粘膜細胞を弱める毒素を出す細菌を対処するために白血球が最近周辺に集まり ピロリ菌と白血球の対決炎症が起こり”急性胃炎“範囲、時間が大きいほど胃粘膜の消耗が激しくなり炎症が強い状態で“慢性活動性胃炎”さらに修復できない状態になると粘膜が深くえぐられ“胃,十二指腸潰瘍”が最初の発症段階です。


Q ピロリ菌に感染するとどうなるの?、どのような病気を起こすの?
A ピロリ菌が胃粘膜に感染すると炎症が起こります。感染したほとんどの人に胃炎が起こります。但し、全員に症状が起こるわけではありません。 ピロリ菌感染による炎症が続くと、 感染範囲が広がり “ヘリコバクターピロリ感染胃炎”になります。ピロリ菌を除菌しない限り ピロリ菌は胃内に住み続けるので慢性的に炎症が続き 『慢性活動性胃炎』の状態で “胃粘膜防御機能が低下”となり、そこに ストレス、塩分、刺激の強い食事、発がん物質などの影響 を受けやすい状態となっています。
ピロリ菌が生成するアンモニア、胃粘膜細胞を弱める毒素によって 胃粘液が減少し 直接 胃酸を受ける状態によりさらに “胃粘膜細胞が傷つく”状態となってます。『胃潰瘍、十二指腸潰瘍、びらんの発症 再発』胃潰瘍、十二指腸潰瘍の患者さんは、ピロリ菌に感染(約90%)していることが多く潰瘍の発症、再発に関係していることが分かっています。

ピロリ菌

長い期間炎症が継続すると 胃粘膜の感染部位は広がり 慢性胃炎となり胃粘膜細胞が消失する状態『萎縮性胃炎』、さらに進むと 胃粘膜が腸の粘膜のようになっていきます。『腸上皮化生』最終的には、 胃粘膜全体に広がります。
その経過の中で 一部の患者さんに(『胃ガン)を引き起こすことが分かっています。 
つまり ピロリ菌感染が 『胃、十二指腸潰瘍、胃ガン』を起こしやすい状況を作ってしまうということです。
(頻度としては、ピロリ菌感染の慢性胃炎でも潰瘍や胃癌を起こさない人も多いようですが、胃ガンは、癌死亡原因の常に上位3位に入っています。)
『わが国で 胃、十二指腸潰瘍、胃炎を対象にした調査で
統計的に10年間で胃ガンになった人の割合が、ピロリ菌陽性の人が2.9%ピロリ菌陰性の人では0%だったという報告です。』    
2001年 uemura、N

胃ガンを認めない人の割合
それだけ胃ガンとピロリ菌は密接に関連性があると考えられています。

健常な胃
↓(ピロリ菌感染)
ピロリ菌感染胃炎
↓=慢性胃炎(数か月~年単位)
慢性活動性胃炎
↓          ↓
(粘膜防御機能低下)(胃粘膜の損傷)
萎縮性胃炎      びらん
↓           胃、十二指腸潰瘍(再発性)
腸上皮化生

胃ガン

Q どのような症状、状態のときにピロリ菌検査をしたらいいの?
A 食後や食前の胃の痛み、 食欲不振、 胃の不快感、胃がもたれる、胃が重たい胃が張る感じ(膨満感)のある方胃バリウム検査で、慢性胃炎を指摘された方、胃、十二指潰瘍の経験のある方、 何度も 胃、十二指潰瘍の再発を繰り返す方、胃ガン家系で心配な方、ご両親、ご家族にピロリ菌感染がある方、 はご相談ください。

Q ピロリ菌を除菌するとどうなるの?
A 除菌が成功すれば ピロリ菌感染胃炎(慢性胃炎)に伴う胃の症状(胃もたれ、胃部不快、食欲の低下など)の改善が多くの方に見られます。また胃、十二指潰瘍の治癒、再発防止になり、何よりも、 胃ガンの発生の抑制ににつながります。
早期胃ガン治療後、ピロリ菌除菌行うことで、3年間のフォローで新しい胃ガンの発生の抑制は 約1/3だったと報告されています。
Fukase k Lancet372  2008

ピロリ菌除菌効果

Q ピロリ菌に感染している人は、ピロリ菌の除菌をした方がいいのですか?
A 日本人のピロリ菌感染者は、およそ 3000~3500万人ともわれています。日本ヘリコバクター学会のガイドラインでは、ピロリ菌による疾患の治療、および予防のため、ピロリ菌感染のすべての方に除菌治療を受けることが勧められています。


Q ピロリ菌を見つけるには どのような検査があるのですか?
A <内視鏡を使う方法>      (当院で行っている方法)
①  迅速ウレアーゼ法
ピロリ菌のもつウレアーゼ酵素の働きで作られるアンモニアを調べて判定します。
迅速ウレアーゼ法

②  鏡検法
採取した組織を染色して 顕微鏡で調べます。

鏡検法


<内視鏡を使わない方法>
① 尿素呼気検査
検査薬を内服後 一定の時間後、吐き出した息を調べるピロリ菌のもつウレアーゼ酵素の働きで作られる二酸化炭素を調べて判定します。
素呼気検査

② 抗体測定法
採血により血液中のピロリ菌の抗体の有無を調べます。

抗体測定法
③ 便中抗原測定法
便を採取してピロリ菌抗原の有無を調べます。

便中抗原測定法

ピロリ菌感染有無の検査は、これらのうち 1つだけでなく 複数の検査を行えば、より確かに判定できます。

保険適用で行える場合と 保険適用外になる場合がありますのでご注意ください。

<保険適用でピロリ菌の検査ができるのは>、
・胃カメラ(胃内視鏡)検査、胃バリウム検査で胃、十二指潰瘍と診断された方、
・胃カメラ(胃内視鏡)で慢性胃炎の診断された方、
・早期胃ガンに対する内視鏡的治療後、ピロリ菌感染胃炎の方 です。

ピロリ菌除菌後の判定も、これらの測定法で行われます。
当院では、より判定精度を高める為に最低2つで除菌判定を行っています。

Q ピロリ菌に感染していたらどのように除菌するの? どのくらい除菌できるの?
A(1次除菌)‘除菌療法’は、1種類の『胃酸の分泌を抑える薬』と2種類の『抗菌薬』の計3種類の薬を同時に1日2回、7日間服用する治療法です。‘判定’は服用後 4週間以上経過してから ピロリ菌除菌‘できた’か‘否か’を 前述の方法で検査します。検査で陰性なら除菌成功です。

 <ピロリ菌が残っている場合>
(2次除菌)へ
‘除菌療法‘は、1種類の『胃酸の分泌を抑える薬』と2種類の『一次と一部異なる抗菌薬』の計3種類の薬を同時に 1日2回、7日間服用する治療法です。
‘判定’は服用後 4週間以上経過してから ピロリ菌除菌‘できた’か‘否か’を 前述の方法で検査します。 検査で陰性なら除菌成功です。
ピロリ菌の除菌療法は、残念ながら 100%の成功率ではありません。

(1次除菌)で約70~80%、
最除菌して(2次除菌)で約80~85%です
ご了解ください。


○(1次除菌)(2次除菌)は、保険適応になります。
○ 約80%~の除菌成功率ですので将来のことを考えるとお勧めします。
○ 除菌療法には、抗菌剤を使いますので薬のアレルギーの有無、現在内服中の薬があれば必ずお伝えださい。


<2次除菌後もピロリ菌が残っている場合>、

 (3次除菌)へ
‘ 除菌療法’は1種類の『胃酸の分泌を抑える薬』と
2or 3種類の『抗菌薬』を
組み合わせ、投与期間, 内服回数 を変更して行います。

○ 3次除菌以降は、保険適応がありませんので自費診療となります。

○ 除菌療法には、 1次除菌から 抗菌剤を使いますので薬のアレルギーの有無、現在内服中の薬が
あれば必ずお伝えださい。



 

投稿者: 林医院

大阪市淀川区の苦しくない胃内視鏡検査・大腸内視鏡検査ならお気軽にお問い合わせください。

  • bottom_img01.png
  • 内視鏡検査予約フォーム
  • 病気の知識
  • 林院長のブログ
  • 林医院スタッフブログ