病気の知識

2013.01.07更新

胃炎は、臨床経過から急性胃炎と慢性胃炎に分類されますが、一般に胃炎という病名は
慢性胃炎が多く用いられます。

慢性胃炎は、組織検査により病理学診断された(組織学的胃炎)、症状の有無に関わらず胃レントゲン検査、胃内視鏡検査でびらん、萎縮、過形成などが見られた時に(形態学的胃炎)、胃内視鏡、胃X線検査などでも所見がなく"胃もたれ" "胃痛" "膨満感"といった症状を伴う(症候性胃炎)、の3つが広い意味で慢性胃炎の中に存在していました。

欧米とともに胃内視鏡、胃X線検査などで異常を認めないが、上腹部の消化器症状を訴えるものを機能性ディスペプシア(FD、Functionmal Dyspepsia)と診断し慢性胃炎とは別の概念ととらえ、 
慢性胃炎は、欧米同様に組織学的胃炎の場合を指す方向にあります。

(頻度)
ピロリ菌の感染率に一致し加齢と共に増加し、50代で50%、70代で70%が存在します。

(原因)
慢性胃炎は、胃粘膜が傷つき、日常的に長年にわたって繰り返された状態で起こります。
その原因の主なものは、ピロリ菌の感染によることがわかっています。その他にサイトメガロウイルス感染、消炎鎮痛剤の長期連用、自己免疫性胃炎(A型)、クローン病といった自己免疫疾患、基礎疾患に肝硬変や腎不全といった栄養、代謝、微小循環障害が挙げられます。
刺激の強い食事、香辛料、塩分、や喫煙、不規則な食生活も一因と考えられています。

(症状)
慢性胃炎の症状は、胃酸過多に伴う"胃もたれ" "胃痛" "げっぷ"逆に 胃酸の低下に伴い消化不良が起こり "膨満感" "食欲不振"などが混在、単独で起こります。

(診断)
慢性胃炎の存在は、胃内視鏡、胃X線検査による形態学的診断と最終的に病理組織検査による組織学的で行われます。

症状からだけでは、胃潰瘍、胃癌と慢性胃炎との区別は困難ですが、胃内視鏡検査で 直接、胃粘膜の状態、色調を観察することができ、癌などが疑われた際にも組織診断で判別が可能です。

(治療)
症状のない慢性胃炎
 無症候性のピロリ菌感染の場合が多く、胃内視鏡検査で萎縮性胃炎の広がりが局所の場合は、治療の必要がなく経過観察。萎縮が胃体部まで進んでいる場合は、胃癌の早期発見のため定期的内視鏡検査が必要です。

症状のある慢性胃炎
 食事療法で酒、ブラックコーヒー、辛い、刺激の強い食事、肉、揚げ物類など消化の悪い食事を控え、量、内容ともに胃への負担を減らすのが一番です。
 内服治療で'胃酸を抑える薬' '胃粘膜保護剤' '運動機能調整薬' '漢方薬'などで症状の改善をはかり、症状の性質、程度の応じてこれらの薬を組み合わせて治療が行われます。

(経過、予後)
慢性胃炎は加齢とともに多くの方が持っておられ、それ自体は予後の悪い病気ではありませんが、ピロリ菌感染がある場合、将来 慢性胃炎を基盤にして胃潰瘍や胃癌が発生する危険性が高いことがわかっています。

慢性胃炎を完全にもとの健康な胃の粘膜に戻すことは残念ながら困難ですが
ピロリ菌の除菌によって慢性活動性胃炎の広がりを抑えることは可能で
胃潰瘍や癌の発生リスクを抑えることができます。
ピロリ菌の除菌治療が胃潰瘍の再発予防になりますが、 癌については、100%発生を予防するものではありません。
1年に1回定期的な胃内視鏡検査が胃癌の早期発見に有効な検査に違いはありません。

投稿者: 林医院

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