早期に発見すれば胃ガンは治ります。早期胃ガンの5年生存率は95%以上です。
胃ガンの発生シナリオ
以前は胃ガンの発生原因は、下記程度しか分かっていませんでした。
●食生活(食塩、魚・肉の焦げた部分)
●環境要因(タバコなど)
●遺伝要因
しかし近年、胃ガンの発生の元には強い萎縮性胃炎(+ピロリ菌感染)があることがわかりました。
この萎縮性胃炎も以前は、食生活や年齢的変化からなるものと安易に考えられていました。
しかし10年以上のピロリ菌感染で慢性的な炎症が続き、強い萎縮性変化や、
さらに腸上皮化生といわれる状態となり、やがて胃ガンが発生するというシナリオがわかりました。
(欧米では、腸上皮化生を前ガン状態としています)
つまり、"胃ガンが出来る前にピロリ菌感染と萎縮性胃炎がある"ということです。
胃ガンの95%以上はピロリ菌感染に基づいて発症するといことが明らかになっています。
ヘリコバクター・ピロリ感染⇒慢性活動性胃炎⇒萎縮性胃炎⇒(腸上皮化生)⇒胃ガン
ピロリ菌に感染している全員が必ず胃ガンになるというわけではありません。
実際には、胃ガンの発生はピロリ菌感染者の一部の方となりますが、
日本人の50歳以上の80%はピロリ菌陽性者なのです。
欧米に比べ日本人に胃ガンが多い理由がわかります。
Q 胃ガンの自覚症状には、どのようなものがあるの?
A 早期胃ガン自体に自覚症状はありません。
もともと慢性胃炎が発生母体にあるので、
・慢性胃炎の症状である上腹部痛・膨満感・胃もたれ・胸やけで受診された方
・検診や、病気が心配で受診され検査された方
から胃ガンが見つかるケースが多いです。
進行胃ガンでも初期の症状はあまりなく、貧血・黒い便が出た程度がほとんどです。
重症になって初めて、上腹部痛・体重が減る・脱力感・転移した臓器の症状(腹水・むくみなど)が出ます。
重症のガンが見つかれば即入院です。
Q 胃ガンを早期発見するには、どうすればいいの?
A 昔は検診やドッグでの胃透視検査で造影剤のバリウムを飲む方法でしたが、
服用後の排便の煩わしさ・放射線検査であること・白黒影絵像での判断であることなどから、
現在では精度の高い胃内視鏡検査(胃カメラ)が大変有効となっています。
もし強い胃炎、萎縮性胃炎があれば、定期的に胃内視鏡検査(胃カメラ)が必要です。
知らない間に胃ガンになっていて、見つかった時には進行ガンで手遅れ・余命数ヶ月とならないためにも、
自覚症状がなくても年に一回は胃内視鏡検査を受けることが鍵です。
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