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2025.08.09

胃カメラって何歳から必要?40歳からと言われる理由と早めに検査したほうがいい人とは?

★胃カメラは「症状が出る前に受ける時代」へ

「まだ若いし、胃の検査なんて必要ない」そう思っていませんか?

実は、胃がんは、症状が現れたときにはすでに進行していることが多いのです。

そのため、近年では「症状がなくても定期的に胃カメラを受けておく」という考え方が、医療現場では常識になりつつあります。

では、いったい何歳から胃カメラを受けるべきなのでしょうか?  

そして、どんな人が早めに検査を受けたほうがいいのでしょうか?

  • ★胃カメラは何歳から受けるべきか?

医学的な観点から、胃カメラはおおむね40歳を目安に一度受けておくことが推奨されています。「昔の衛生環境で、免疫力の弱い幼少時期にピロリ菌感染し、胃の中のピロリ菌による慢性胃炎から多くの胃がんが発症することが1980年代後半に発見され、約30年前からピロリ菌除菌治療が試験段階から開始され、日本人の1番の胃がんが国民病でしたが、まだ、がん死亡原因の上位に存在します。」「2015年、 衛生環境改善、ピロリ菌除菌の普及でピロリ菌感染者は、 20代約20%、30代約30%、40代約40%、50代約50%、60代約60%、70代約70%」の報告があり、高齢程、罹患期間も長い為多くなります。これは、日本における胃がんの発症リスクが40代以降に急激に高まるという疫学データに基づいています。

ピロリ菌除菌の普及、健診の普及で胃がんの死亡順位が下がり、実際に、国のがん検診ガイドラインでも「50歳以上の人に対して2年に1度の胃がん検診を推奨」とされていますが、症状がある場合やリスクの高い方には、40歳前後から年に1度の内視鏡検査を推奨する専門家もいます。

特に、40歳を超えてからの胃がんの発見率は増加し、40代での発見=早期治療(早期がんであれば、胃内視鏡)で完治が可能なことも多いため、「40歳になったら一度は胃カメラ」という考え方が広まりつつあります。

  • ★20代・30代・40代が知るべき検査の必要性

若い世代では、胃カメラはまだ早いと思われがちですが、実際には少なからず20代、30代でも胃がんが見つかるケースは存在します。

その多くは、ピロリ菌の感染と異なり、胃壁の中を浸潤するスキルス胃がんのケースが多く、原因は不明です。胃壁の伸展がなくなり、急な食欲、食事量の低下、体重減少などが特徴です。

また、「仕事、時間に追われるストレス社会」もしくは、「食べ物が豊富な多飲、多食社会」といわれる現代では、20代や30代でも逆流性食道炎・消化不良症、ストレス(神経)性胃炎、胃潰瘍などの胃の病気を発症している方は決して少なくありません。

症状がないから大丈夫と思っている方ほど、一度は胃カメラで「中を直接見る」という安心を得ておくべきです。早期に異常を見つけることで、体への負担を最小限に抑えることができます。

  • ★年齢・リスク別の検査頻度の目安

では実際、何歳でどのくらいの頻度で胃カメラを受けるべきなのでしょうか。

40歳前後の方で症状がなく、特にリスク因子がない場合でも、1度は胃カメラで状態をチェックしておくことが望ましいとされています。

異常がなければ、次の検査は2〜3年後でも良い場合もありますが、ピロリ菌の感染歴がある方や、胃炎・ポリープの既往がある方は毎年〜2年に1回の定期検査が勧められます。

リスクに応じて医師が適切な検査間隔を提案しますが、重要なのは「自分の胃の状態を一度知ること」です。

★より早期に検査を受けるべき人とは?

胃カメラは40歳からで「十分」とは限りません。

次のような方は、20代、30代であっても早めの検査を考えるべきです。

たとえば、家族にピロリ菌感染のある、胃がんの既往歴がある方は、遺伝的要素や育った生活環境の影響を受けやすく、発症リスクが高くなる傾向があります。また、ピロリ菌感染の既往がある方も、将来的に胃がんや萎縮性胃炎に進行する高いリスクが指摘されています。できるだけ早い年代でのピロリ菌の除菌が、胃がんの発生リスクを下げられることが出来ます。

さらに、慢性的な胃の痛み・不快感・胸やけ・吐き気・体重減少などがある方は、年齢にかかわらず胃カメラで精査することが必要です。症状があるということは、すでに何らかの異常が進行している可能性があるからです。「若いから大丈夫」と思い込むことが、一番のリスクかもしれません。

★よくある質問

Q.胃カメラってつらい検査ではないですか?

A.以前は「つらい検査」というイメージがありましたが、現在は大きく進化しています。日本では、鎮静剤を使わない胃カメラ検査が行われていました。口から胃カメラ検査は、とてもつらい、苦しい検査というレッテルが張られたことで約15年程前、鼻から入れる経鼻内視鏡が開発され、 嘔吐反射が少なく、経口胃内視鏡に比べ比較的楽に、また、希望すれば鎮静剤を使う施設も増えてきました。

経鼻内視鏡では、画質落ちる、吸引力、届来にくい場所があったり、咽頭反射の強い方は、いまだに辛い検査、鼻出血、前処置ゼリー状、表面麻酔が辛い、検査後に残る、検査後鼻の奥が痛い、鼻穴が小さく入らなかった というお声を頂きます。

鎮静剤使ってなら、さらに楽になると思うのですが、、、。

当院は、基本鎮静剤を使用し、口から表面麻酔なしで、眠ったまま出来る為、後の違和感もなく,辛くない、無痛状態で行っています。

実際に受けた方からは「すごく楽だった」「これならまた受けられる」という声が多数寄せられています。

鎮静剤なしで何度も鼻から胃カメラされている方は、今まで通りの方法で行っています。

        【鼻から胃カメラ検査は、ご相談ください。】

Q.ピロリ菌が陽性だったことがあります。胃カメラは必要ですか?

A.はい。ピロリ菌感染は胃がんの最大のリスク因子です。除菌後であっても、粘膜の強い萎縮や炎症痕

が残る場合がありますので、年に一度の内視鏡検査が推奨されます。ピロリ菌感染歴がある方は、必ず定期的な胃カメラ検査を受けるようにしましょう。

Q.健康診断でバリウム検査を受けていますが、それではだめですか?

A.バリウム検査では胃の内部を“間接的に”観察するため、早期のがんや微細な病変を見逃す可能性があります。一方、胃カメラでは粘膜を直接見ることができ、その場で組織検査(生検)も可能です。正確性・安心感の面で、胃カメラの方が圧倒的に優れています。

Q.費用はどのくらいかかりますか?保険は使えますか?

A.医師が必要と判断した場合、胃カメラは保険適用となり、自己負担は3割でおよそ3,000円〜6,000円程度です。人間ドックなどの自費診療では価格が異なりますが、まずは医療機関で相談してみてください。

Q.何も症状がなくても受けた方がいいのでしょうか?

A.はい。胃がんや萎縮性胃炎などは、初期段階ではほとんど症状が出ないことが一般的です。だからこそ、「症状が出る前」に受けることが重要です。定期的な胃カメラは、命を守る予防の一歩です。

★最後に:胃の健康は、40代から守るべき時代へ

胃カメラは、「何かあった時に受ける検査」ではありません。今や、症状が出る前に“自分の今”を知るための検査なのです。

40歳という節目は、体の中でさまざまな変化が起こるタイミングでもあります。

だからこそ、これを機に一度、自分の胃の状態を確認してみてください。

未来の自分が後悔しないために。

そして、大切な人のために。

胃カメラという選択が、あなたの健康を守ります。

 

2025.08.08

バリウム検査と胃カメラとの違い “後悔しない”選び方

★あなたは「見逃される側」になっていませんか?

「検査では異常なしと言われた。でも半年後に胃がんが見つかった」そんな話を、あなたもどこかで耳にしたことがあるかもしれません。

現代の医療は日々進歩していますが、検査の種類によっては「見逃し」が起きることも現実です。その差を分けるのが、検査の“精度”です。

胃の検査といえば、「バリウム検査」か「胃カメラ(内視鏡検査)」の二択が一般的ですが、実際にどちらを選べば安心できるのでしょうか。

この記事では、あなたが後悔しない選択をするために、医学的な知識と現場の視点から、わかりやすく丁寧にご説明します。

バリウム検査は“胃の輪郭”を確認する検査です。

バリウム検査とは、白い造影剤であるバリウムを飲み、胃の中で流れる様子をX線で撮影する検査です。胃の内側に腫瘍やポリープのような影があると、そのバリウムの流れ方が変わるため、異常の存在を“間接的に”把握することができます。

この検査は長年にわたり、健康診断などで広く使われてきました。検査時間も短く、比較的手軽に受けられることから、「とりあえずバリウムを」と選ぶ方も少なくありません。

ただし、見えているのは“胃の中の影絵”に過ぎません。病変の形が小さかったり、凹凸が目立たなかったりすると見逃される可能性もあります。さらに、バリウム検査だけでがんを確定診断することはできず、何らかの異常が疑われれば、その後に胃カメラで再検査を受ける必要があります。胃カメラは“直接その目で”見ることができる検査です。

胃カメラ(内視鏡検査)は、カメラ付きの細いチューブを口や鼻から挿入し、胃の内部をリアルタイムで観察する検査です。映し出されるのは粘膜そのもの。わずかな色の変化、小さな出血、早期のがん、前がん病変も、直接の目で確認することができます。

さらに、気になる部分があればその場で組織を一部採取し、病理検査に送ることができます。バリウム検査ではできない“確定診断”までを一度の検査で完了できる点が、胃カメラの最大の強みです。

また近年では、鼻から入れる経鼻内視鏡が登場し、管がより細くなって嘔吐反射も起きにくくなりました。鎮静剤を使えば、眠っている間に検査が終わる方法も広く普及しており、「胃カメラはつらい」という印象は大きく変わりつつあります。

★医師たちは、どちらを選んでいるのか?

私自身や家族に検査を勧めるとしたら、胃カメラです。

その理由は明確です。バリウム検査はあくまで“疑わしい影”を見つける検査であり、微細な病変や色の変化を見逃してしまうリスクがあります。一方、胃カメラは粘膜を直接観察できるため、診断の精度が圧倒的に高いのです。早期発見がそのまま治療の成否につながる今、何かあってから胃カメラを受けるのでは遅い、というのが現場の医師たちの本音でもあります。

結局胃カメラとバリウム検査、何がどう違うのか?

胃カメラとバリウム検査の決定的な違いは、「見える範囲」と「診断の正確さ」にあります。

バリウム検査では、胃の内側をバリウムの流れと影として捉えるため、異常があってもはっきりと確認できないことがあります。病変が平坦で目立たない場合、小さすぎる場合、色の違いだけの場合などは見逃されることもあります。

一方の胃カメラは、胃の粘膜を直接見るため、早期の胃がんや小さなポリープ、わずかな出血などもその場で確認できます。さらに、必要があればその場で組織を採取し、確定診断に進むことができる点が大きな強みです。

また、バリウム検査は異常が見つかった時点で「胃カメラによる再検査」が必要になるため、結局二度手間になることも珍しくありません。精密な検査を一度で済ませたいなら、最初から胃カメラ検査をお薦めします。

★実際に胃カメラを受けた人たちの声

・40代女性

「父が胃がんだったので、自分も毎年胃カメラを受けています。最初は不安でしたが、鎮静剤を使ったら驚くほど楽で、今では安心材料のひとつです」

・50代男性

「以前はバリウム検査を受けていましたが、胃の違和感が続いて胃カメラを受けたところ、早期の胃がんが見つかりました。あの時切り替えて本当に良かったと思います」

・30代女性

「口から胃カメラ検査を鎮静剤を使って受けましたが、本当に不安なく眠った状態で、目が覚めたら終わっていたのにびっくり。もっと早く知っていれば…と思いました」

・50代女性

「当時、胃カメラは口からするのが普通で、“えずいて“とてもつらい思いをしたので、口から胃カメラ検査にトラウマを感じていました。口コミの内容、先生の説明から一度試してみたところ、鼻から胃カメラの異物感や検査前後の麻酔剤、処置の違和感が全くなく、これまでの苦しい口からの胃カメラのトラウマは払拭されました、次回からこちらで検査を受けようと決めました。」

・40代男性

「他院で無痛でできる」ということで、鎮静剤を使って経口の胃カメラをしましたが、検査途中目覚め大変苦しい思いの経験の中、友人からこのクリニックを紹介され、恐る恐る行いましたがこちらでは、いつ終わったのか寝ているうちに終わり、大変楽で安心しました。

★よくある質問

Q.胃カメラって、やっぱり苦しいんですか?

A.昔は、鎮静剤を使うことがなかったため「つらい検査」という印象があります。現在は大きく改善されて、鼻から入れる経鼻内視鏡は、舌根部に当たらないため嘔吐反射が起こりにくく、経口胃カメラに比べ楽だという声が多いですが、食道入り口部分での反射があるため、良くて半分の楽さが限界かと思われます。健診、ドックで経鼻内視鏡検査が導入されるようになりましたが、やはり辛い検査というお言葉を多く耳にします。反射の強くない方は、経鼻内視鏡検査でも、“えずくことなく”検査を終わられる方もしばしば見受けられます。不安や、咽頭反射を抑える為、鎮静剤を使用すれば、眠っている間に終わるため、苦しくなく、安心して終わった」という方は、とても多いです。ご自身に合った方法を医師と相談して選ぶのがおすすめです。

Q.鎮静剤を使っても大丈夫ですか?

A.鎮静剤は、「危なくないですか?」「安全ですか?」「とても不安です。」というご質問を頂きます。鎮静剤の特徴、使用量に熟知した医師が、その患者様に応じて適正量を使用し、呼吸や血圧などをモニタリングしながら行うため、ご安心下さい。ただし、検査後しばらくは眠気や判断力の低下があるため、当日の車の運転や重要な作業は避ける必要があります。

Q.検診で「異常なし」と言われましたが、胃カメラも受けるべきですか?

A.はい、症状がある場合や、胃がんの家族歴がある方、ピロリ菌感染歴がある方には胃カメラが推奨されます。バリウム検査では見逃されがちな病変も、胃カメラなら早期に発見できることがあるため、「異常なし」の結果でも再確認する価値があります。

Q.経鼻内視鏡と口からの内視鏡、どちらが良いですか?

A.経鼻内視鏡は細くて楽ですが、画質では口からの方が勝ります。又、鼻から挿入するための準備に時間がかかる、鼻腔の圧迫、検査後の違和感、や鼻出血、挿入できない場合があります。鎮静剤を使えば、口からの内視鏡検査でも苦痛は、当院では全くない状態でできます。また、精度も含めて考えると経口内視鏡をお薦めします。ご自身に合った方法を医師と相談して選ぶのがおすすめです。

Q.費用はどれくらいかかりますか?保険は使えますか?

  1. 胃カメラは医師の判断で行う場合、健康保険の対象です。自己負担は3割で、おおよそ6,000円程度(病理組織検査がある場合は9000円~12000円程度)です。人間ドックなどの自費検査の場合は施設によって異なります。まずは医療機関で相談してみてください。
  2. ★最後に:あなたにとって、今必要なのはどちらですか?

「何となく不調がある」「家族に胃がんの人がいた」「ピロリ菌に感染したことがある」

そんな小さな不安を感じているなら、どうか今すぐにでも胃カメラを選んでみてください。

検査で何もなければ、それが一番です。でも、もし何かが見つかったとしても、早く知ることができれば、その分だけ治療の可能性も広がります。

安心を手にするための5~10分。それは、あなたのこれからの人生を守る時間かもしれません。





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