食後の不快感にサヨナラ!あなたの胃腸を守る実践ガイド
毎日の食事の後、胸が焼けるような感覚や胃の重たさに悩まされていませんか?「また今日も胃薬が手放せない…」そんな日々から抜け出すために、消化器専門医が実際に患者様にお伝えしている改善方法をわかりやすくまとめました。
胸やけや胃もたれは、実は日常生活のちょっとした工夫で大きく改善できる症状です。このコラムでは、今日からすぐに実践できる7つの改善習慣と、症状の背景にある原因、そして見逃してはいけないサインについて詳しく解説します。
胸やけ・胃もたれはなぜ起こる?知っておきたい3つの主な原因
1.胃酸の逆流による食道への刺激
胸やけの最も一般的な原因は、胃酸が食道に逆流することです。食道の粘膜は胃と違って胃酸から身を守る機能が弱いため、胃酸が触れると「焼けるような感覚」「すっぱいものが上がってくる感じ」「胸がしみる感じ」といった不快な症状が現れます。
この症状が続く場合は、逆流性食道炎の可能性があります。
[▶逆流性食道炎について詳しくはこちら]
2.加齢や生活習慣による筋力低下
胃と食道の境目には「下部食道括約筋」という筋肉があり、普段は胃の内容物が逆流しないよう守ってくれています。しかし、加齢による筋力低下や、前かがみの姿勢、肥満などによってこの筋肉の機能が低下すると、胃酸が逆流しやすくなります。
3.食生活の乱れと胃への負担
高脂肪食、刺激物、アルコール、カフェインの摂り過ぎは胃酸の分泌を促進します。また、早食いや満腹まで食べる習慣、寝る前の食事なども胃に大きな負担をかけ、症状を悪化させる要因となります。
今日から実践!胸やけ・胃もたれを改善する7つの習慣
習慣1:食事時間を見直す・寝る2〜3時間前には食事を終える
夕食は就寝の2〜3時間前までに済ませましょう。寝る前のアルコールもたしなむ程度に控えることが大切です。食後すぐに横になると胃酸が逆流しやすくなるため、食べてすぐに疲れてスマホやテレビを見るために横になるのは避けましょう。
習慣2:食べ方を変える・ゆっくりよく噛んで腹八分
早食いは厳禁です。よく噛んで、流し込まずに、少しでも時間をかけて食事を楽しみましょう。満腹まで食べず、腹八分を心がけることで胃への負担を大幅に軽減できます。
習慣3:食後の姿勢に注意・リクライニングはOK、横になるのはNG
食後はリクライニングの姿勢で休むのは問題ありませんが、完全に横になるのは避けましょう。特に胸やけが強い方は、就寝時も少しリクライニングにして寝ることで、胃酸の逆流を防ぐことができます。
習慣4:食事内容を見直す胃にやさしい食材を選ぶ
避けたい食品
✅肉類、揚げ物(ジャンクフード、からあげ、とんかつなど)
✅脂っこいもの
✅辛い、刺激の強い食べ物・飲み物
✅コーヒー(特にブラック)の多飲
✅度数の高いアルコール
症状が強いときは、お粥、雑炊、うどんなど胃腸に負担をかけない消化の良いものを選びましょう。
習慣5:食べ過ぎた翌日は調整日に
つい食べ過ぎてしまった日の翌日は、食事量を減らして胃を休めましょう。消化の良い和食中心のメニューにして、1日3食を2食にしたり、いつもの食事量を半分にするなど、胃腸をいたわる工夫をしてください。
習慣6:就寝時の工夫上体を少し起こして寝る
胸やけが強い方、胃酸が上がりやすい方は、就寝時に上体を少しだけリクライニングにすることで、物理的に胃酸の逆流を防ぐことができます。枕を高くしたり、ベッドの頭側を少し上げるなどの工夫が効果的です。
習慣7:適切な内服治療を受ける
症状や胃カメラ検査の所見によっては、制酸剤などの内服治療が必要となります。ただし、食習慣が一番の原因であることが多いため、上記の習慣を一つずつ改善することで、内服の回数を減らし、症状を根本から改善することができます。
こんな症状があったら要注意!受診のタイミング
これらの症状がある場合は、早めに消化器内科を受診することをおすすめします。
✅夜中に起きてしまうほどの胸やけ
✅痛みが胸全体に及ぶ胸やけ
✅毎日食後に続く辛い胸やけ
✅げっぷ、胃もたれを伴う胸やけ
✅症状が2週間以上続く場合
「いつもの胸やけだから」と放置していると、実は狭心症の胸の痛みだったり、食道がんが原因だったということもあります。また、胃酸の逆流を放置すると「バレット食道」という食道がんのリスクを高める状態になることもあるため、軽い症状でも続く場合は検査を受けることが大切です。
正確な診断には胃カメラ検査が重要
胸やけや胃もたれの原因を正確に診断し、適切な治療を行うためには、胃カメラ検査が欠かせません。胃カメラ検査では、食道と胃の粘膜を直接観察し、炎症、びらん、潰瘍の有無、食道裂孔ヘルニア、がんなどの原因疾患を特定することができます。
当院では、患者様の負担を最小限に抑えた胃カメラ検査を行っています。
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一つずつの改善で快適な毎日を取り戻そう
胸やけや胃もたれは、生活習慣の改善で大きく症状を軽減できる疾患です。今回ご紹介した7つの習慣を、無理のない範囲で一つずつ実践してみてください。
食べ過ぎた直後や翌日に一時的に生じる胸やけであれば心配はいりませんが、症状が続く場合や、みぞおち辺りの違和感や痛みを覚える場合には、何らかの病気が潜んでいる可能性もあります。
大阪江坂胃腸内科・内視鏡クリニックでは、消化器専門外来として、胸やけ・胃もたれの診察を専門的に行っております。症状が気になったときには、お気軽にご相談ください。
24時間ネット予約に対応しておりますので、お忙しい方もスムーズに診察を受けていただけます。
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