便潜血陽性

便潜血陽性とは

便潜血陽性とは通常、便からの出血には、目で見てわかる出血から目で見て判断できない血便があります。
便潜血陽性とは、便潜血検査において、「便に血液が混じっている」という判定のことを指します。

一見したところ健康な便に見えても、便潜血検査で陽性が出た場合には、目に見えない微量の血液が混じっている可能性が高いと言えます。便潜血陽性では、つまり、口から、肛門までの消化管のどこかに出血の可能性があるということです。健診などでは、簡易な検査、大腸がん検診として主に大腸から肛門にかけて出血の有無の判定に用いられています。

大腸がん発見のための検査

  • 便潜血検査

    便潜血検査

    大腸がんや大腸ポリープが生じると、便と擦れたときなどに出血が生じることがあります。
    便潜血検査では、そうして便に付着した血液の有無を調べることができます。
    ただし、大腸がん・大腸ポリープから必ず出血するというわけではありませんので、陰性であったからといって大腸がん・大腸ポリープがないということにはならないのです。
    また反対に、陽性であっても必ず大腸がん・大腸ポリープやその他の疾患であるというわけでもありません。
    便潜血検査は、あくまでスクリーニング検査として受けるものです。確定診断のため、大腸カメラ検査が必要になります。

  • 大腸カメラ検査

    肛門から内視鏡を挿入し、大腸粘膜をカメラで直接観察する検査です。
    必要に応じて組織を採取して調べることができますので、早期の大腸がんに対しても確定診断が可能です。
    また、検査でポリープを発見した場合には、その場で切除することができます。多くの大腸がんはポリープからがん化して発生するため、大腸ポリープを切除しておくことは、大腸がんの予防にもなります。

便潜血陽性だった方へ

便潜血検査で陽性が出た方は、胃や十二指腸、大腸などからの出血が疑われます。
痔からくる出血もありますが、同時に、大腸がんや他の大腸疾患の存在も疑われます。
早期大腸がんの場合、陽性率は、約20%という報告もあります。

便潜血陽性を放置すると

陽性が出た場合は、多くは消化器からの出血を原因としています。大腸がんなどの命にかかわる病気である場合にはその進行が懸念されます。また、大腸ポリープを放置してしまい、がん化するというおそれもあります。なるべく早めに大腸内視鏡検査による精密検査をお勧めします。

便潜血検査が陰性だった方へ

採取した便に血が混じっていなかった場合、採取した部分によって判定結果が、陰性という結果になります
早期大腸がんの場合、陽性率は、約20%以下という報告もあり、早期大腸がんの約80%は見過ごされている可能性もあるということです。
痔などでの出血以外、痛みなど自覚症状もなく放置しがちです。大腸がん検診というスクリーニング検査としての便潜血検査だけで大腸がんやポリープの有無を把握することは難しく、病気の予防や早期発見には定期的な大腸内視鏡検査が必要です。
特にリスクの高くなる40歳以上の方は、便潜血検査の陽性・陰性の判定にかかわらず、定期的に大腸カメラ検査を受けることをおすすめします。
大腸カメラ検査であれば、粘膜をカメラで直接観察し、必要に応じて組織を採取して調べることで、早期がんであっても確定診断、大腸カメラで切除が可能です。

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